2016年10月24日月曜日

待機電力退治の抜け穴

 今ではあまり話題になりませんが、昭和末期にはスイッチを入れるとすぐにテレビの画面が現れるような便利さを優先させるため、電気器具の不使用時でもずっと少量の電機を流し続ける仕組みが常識になっていました。特にテレビ、電気蓄音機などは使う時間がわずかでも、眠っている大半の時間でもこの「待機電力」を使い続けていたのです。

 この待機電力退治をどうすればうまく進められるかが問題でした。メーカーを含む企業の協力で運営されている公益的団体で私が責任者になり待機電力退治をすることになりましたが、実態をいきなり公表すれば、企業側から反発が出るのは必至です。そこで昔「暮らしの手帳」が、電気器具の比較テストを発表したやり方を少しヒネルことにしました。

 冷蔵庫やテレビなど主要機器の待機電力量を調べ、各社にそれを送って、「待機電力を減らすために、まずこの現状の数値を発表させてほしい」とお願いしたのです。すぐにS社から反応がありました。「1年間猶予下さい。その間に待機電力を減らした新しい改良型機種を創りこれを発表するので、その改良した数値と併せて発表していただけませんか。」


 この提案を各社に示すと全社がご了解くださり、待機電力減らしに各社が努力をされ、1年後に大きな成果が生まれました。ところがガス湯沸かし器は種火方式から電気スパークに着火方式を変えていたのを見落としていて、さらに電動歯ブラシなど中小企業製品が依然として待機電量垂れ流しであることに当時は気づかなかったのです。スミマセン…。

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