2016年10月8日土曜日

暮らしの手帳でホットケーキ

 NHKの朝ドラ、「とと姉ちゃん」に出てくる「あなたの暮らし」という雑誌は、言うまでもなく「美しき暮らしの手帳」という1948年(昭和23年)9月に創刊された雑誌で、5年後には「暮らしの手帳」に改題されたものがモデルです。私は終戦時が国民学校(小学校)4年生でしたから、中学生の頃にはよくお世話になりました。

 昭和8年生まれの姉を頭に、同19年生まれの妹まで6人の兄弟姉妹の3番目、次男でしたから、姉兄妹弟すべてが揃っていました。食うものがない時代でしたから、この暮らしの手帳に教えられてホットケーキを作ることを覚えました。コメの代わりに配給される小麦粉で、スイトンを作るのに飽き飽きしていた時に、ホットケーキは新鮮でした。

 小麦粉に牛乳と卵を入れて作るのですが、米の代わりに配給された茶色いキューバー糖と塩少々を入れます。市販のコッペパンも腹に溜まって良かったけれど、希少品のバター(進駐軍の放出物資)を入れると格別味も良くなり、腹持ちも良くなりました。コメのメシでない代用食さえも食えないで、昼ごはん抜きが珍しくない時代でした。


 編集長の花森安治さんは1911年神戸生まれの人で、ドラマに出てくるほど変わり者だったかどうか知りませんが、確かにスカートを穿いている写真を見たような記憶があります。66歳で亡くなっています。この頃と違って今は飽食の時代ですが、私はそんなに遠くない先に、世界は人口増加によってまた食料不足になるのではないかと懸念しているのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿